ZOOMオンライン授業2(講義に関する備忘と感想)

担当している「ソーシャルメディア論」について。リアルタイム双方向スタイルの講義をZOOMでやっています。リアルタイムをやっているのはオンデマンド動画は作った後見直して気になった箇所があり、作り直すととてつもない時間がとられるから。つまり主に教員側の事情でリアルタイムを選択。

ただし少数派なので学生にはアクセントになるし、学生もアリルタイム派とオンデマンド派はお好みが別れますので、独りよがりではない。オンデマンドだとどうしても説明説明してしまい、その時の気分や流れで話すことが少しずつ変わるライブの方が面白いとも思う。それは積み上げ型の学問体系を持たない分野という事情もある。

 

履修登録者は最大104名であったが、履修登録確定時点では81名に。要因はいくつか考えられる。まずは携帯電話回線のみしか自宅にはない人たちが数人抜けた可能性あり。「私の授業に月1.5GB使えますか?」と問いかけましたので。「ちなみにこの科目は選択科目なので、来年度に受講という選択肢もありますよ」とも申し添えた。

また「400字程度ではあるがほぼ毎回レポートを書いてもらいます。その場合、入力スピードとは別にPCの方が良いものが書けると思います」ともコメントしたので、スマホオンリーの受講者が減った可能性もある。ただし「一番話を聞いて欲しいのはスマホだけでいままでほとんどのことを済ませてきた学生」とも言ったので、逆に頑張ってスマホだけで聞いている学生もいるかもしれない。大学が5万円の補助を出したのでこの際PCを買った学生もいるだろう。

ちなみに例年通り、初回授業で「あなたたちがこの3日で使ったウェブサービス、アプリを最大10、思い出して書いてください」を第1問、「それぞれのサービスやアプリを使った端末をすべてチェックしてください」を第2問としてアンケートをとった。昨年はすべてスマホで利用という学生の比率が53%であったが、今年はZOOMはPCで、レポートも自宅のPCでという流れがあるので、その比率は29%まで下がった。PCとスマホってやはり違うよねと気づいて欲しいところ。

プリンタは4割近くの学生が自宅に持っていなかったので、PDF資料はA4に2スライドバージョン(画面で見る用)と6スライドバージョン(紙に印刷する用)とをアップロードしている。

ゼミ生情報によると、紙に印刷できない人は画面で私がライブ配信しているスライド見ながら、スライド番号とそれに対応するメモを紙にとっている。最強かな、と思ったのは、古いiPadライブ配信されている動画やスライドを見ながらもう1台のPencil対応の新iPadで手書きメモを画面上に写された事前配布PDFに直接とって(書き込んで)いるというもの。

私は画面共有をZOOMで行うとときには、スライドが受信者の全画面を塞がないようにしている。すなわち画面共有時に(特定のアプリケーションではなく)「デスクトップ」を選択して、私は自分のデスクトップの右3/4をつかってスライドを表示している。なので、実は13インチのPCを使っている人であれば、スライド以外の画面上にエディタの小ウィンドウを配せば、キーボード入力でもメモはとれる。でも自分もそうだが、変換が気になると話を頭に入れながらのキーボード入力はけっこう難しい。

 初回は「反応がわからないのでなるべく顔出しして」と頼んだら2割ほどが顔出ししてくれたが、とある教員から「学生は顔出しをいやがりますよ」と言われたのと、学生から「ビデオをオンにして、変な動きをすることで目立とうと思っている学生がいましたよ」(初回授業で慣れていなかった私は気づかず)と言われたので、2回目から学生の入室時にはデフォルトでビデオオフにした。そうしたら本当に顔出しがゼロになってしまった。だから本当に反応はわからない。提出されたレポートを見る限り、例年と理解度は変わらない印象。

 

細かな点としては、以下。

  • 5限の開講なので150名を超えるような同時接続ではない。他の講義の同時開講数も少ないので、LMSの負荷も高くない。これは幸運。
  • ZOOMのアーキテクチャを理解して、CPUパワーのある15インチMacBook Proを有線でネットに接続。加えて31インチのデュアルモニター使用。音声をクリアに伝えるためにヘッドセットでノイズキャンセリング機能つきマイクを使用。
  • ZOOMの設定「一般」でデュアルモニターの使用は必須
  • 「ビデオ」でマイビデオをミラーリングしてはダメですよ。学生からは文字が裏返りますから。ビデオに常に参加者名を表示はオン。
  • ゼミ学生に「たまにスライドに動きを入れた方が良い」と言われたので、画面共有時に通常は「デスクトップ」を選択するが、そこから「キーノート」の再生機能のボタンを押して、もともとキーノートに入れていたアニメーションを使うこともある。
  • しゃべりは35分2セットとして休憩を5分入れている。だから開始後5分でしゃべり始め、35分、5分休憩、35分でだいたい10分前に終了。
  • そこから授業内小レポートとして400字の課題を出すのだが、聞いているそのままの勢いで書き始める学生は少ない。翌日19時までの締切を睨みながら、授業当日の夜などに仕上げる学生が圧倒的に多い。
  • 途中でなにかの事情で配信不能となった時に備えて授業冒頭に「本日のメッセージ」というスライドは加えた。「本日のメッセージ」と事前PDFを見れば、レポート課題は半分は書ける。教科書を読めば確実に書ける。なお通常進行では、レポート課題は授業後半開始時点で開示。
  • 成績評価は授業内レポートと、期末レポートのみでテストをするのはやめたので、授業は聞かずにレポートだけを出してくる学生もいる。まったく的外れなことを書いてくる人もいるし、教科書を抜き書きしてそれっぽく書いているが、要求されたことにまるで応えていない人もいる。授業を聞かないとまともなレポートが書けないということを理解した人で、ほぼ毎回出るのはかったるい、あるいは無理と判断した学生は履修をやめたのだろうが、それがわからないボンクラは堂々とレポートを出してくる。

情報機器音痴でもないし、しゃべりがボソボソでわかりにくい訳ではないし、仕事で鍛えられたからスライドは見やすく練られた文章で文字量も少ないし、だから学生はスライドを補完する話をそこそこ聞くし、昨年までも事前にスライド配布をオンライン経由でしていたし(ただし昨年までは一部で、今年は全部)、ほぼ毎回小レポート書かせて採点・フィードバック後に次の回に進んでいたし、大きな変化はまるで感じない。

ただ聞ける感想がゼミの学生からだけなので、前述の印象は大きく外している可能性はある。