Pew Research "Teens, Social Media, and Privacy"

今週Pew Internet and American Life Projectから"Teens, Social Media, and Privacy"というレポートが出された。


日本語でも、個人情報の開示が進んでいて、FBユーザーの60%は公開範囲を友達だけにしているが、平均友人数が425人であることから、あまり良く知らない人にまで個人情報を開示しているという趣旨のことが書かれたメディア・パブのこの記事。どうでもよい投稿が増えすぎたし、親に監視されているからFBがいやになったというティーンが多いというような記述があるこの記事などが目に入ってきた。


英語では、「ティーンはツイッターに移住中」というタイトルがついたこの記事が目に入り、やはり親が使っているFBはいやで、だからTwitter, Instagram, Tumblrに移ったということが取り上げられていた。


僕がこのレポートを最初に読んだ感想は公開癖強まり、使い方もうまくなっているという印象というものだったが、たまたまdanah boydがここで似た感想を綴っていたので紹介しておく。


彼女が記事の2点目でとり上げているのが、ティーンズが情報公開などの設定をかなり上手に使っているようだという点。友人削除の経験があるのは74%、以前の投稿を消したことがあるのが59%、ある人をブロックしたことがあるのが58%、コメント削除経験が53%、つけられたタグを削除したことがあるのが45%という具合である。また冗談やあいまいな表現を用いて、本当のメッセージをなんとなく隠すことがハイティーンでローティーンよりも高くなっている点に合点がいったと彼女は書いている。


実はboydが挙げている1点目も面白い。これは日本ではあまり知られていないように思うが、TwitterはアメリカではAfrican-Americanの使用率が高い。ティーンに限らず、これはそうで、僕はそのデータを見るたびに「なぜだろう」と思っていた。これに関するいくつかのデータがここには書かれていて、ソーシャルメディア全般で少なくとも1つでは実名を使うという割合が白人では95%なのだが、African-Americanでは77%であること。またAfrican-Americanは(相手を撹乱するための、かな)偽情報を投稿する割合が39%に対して、白人では21%。さらにAfrican-Americanの48%はFBで有名人やアスリートや歌手をフォローしているが、白人では25%というあたりだ。


彼女はAfrican-Americanはより公共的な生活に身をおくことを好むのでは、彼らに影響が及ぶ権力に対する不信感があるのでは、大衆文化に対する好み・評価があるのではと少しだけ推察も書いているが、ともかく人種とソーシャルメディア利用は関連し、ティーンと一括りにできないことを強調している。


このあたりは昨年、サンディエゴで日本でのファイスブック受容を話すために、ゼミの卒業生(ティーンじゃないけど)にとった簡単なアンケートで、ブームに乗って使ってはみたけど/使ってはいるけどぼちぼち息苦しくなってきた/飽きてきたという人がそれなりにいるという印象をもったのと似ている。「意識高い系」という言葉を知ったのはその時で、人種じゃないけど、ある属性はFBを好み、ある属性は好まないということを感じた。


余談になるが、うちの12歳になる息子はアメリカからの帰国に際してFacebookアカウントを取得した。これはまさに今回の調査を裏付ける話で、親が最も使っているソーシャルメディアがフェースブックだからである。まだ子供同士で国を超えて頻繁に連絡をとるわけではないから、そういうことになる。


電子メールアドレスだけでも良いのではと考えたが、友人の中には電子メールアドレスを頻繁に変える(変わる)人もおり、また親でもうFBのメッセージが中心という人もいたのでFBのアカウント開設を要請された経緯がある。息子の開設したアカウントと紐付いた電子メールアドレスにメールが届くと私のメールアドレスにそれが転送される。つまり友人申請やメッセージなど重要な通知があると私経由で息子にお知らせが行く仕組みになっている。今、彼にはSNSを利用する習慣はない。だがおそらく日本の中学校に通うようになり、本当のティーンになったら、きっと親に見られないようなソーシャルメディアを使うようになるのだろう。