Web,Media

2019年度 大学生に見られた変化

今年度接触した平均的な文科系大学生と思われる人たちに見られた変化などを備忘的に書いておく。 1年生の自己紹介で「趣味はYouTubeを見ることです」という人たちが出てきた。私たちが今行っているモバイル動画視聴の調査研究でも明らかなように、音楽とプロ…

DIGIDAYへ寄稿しました。

デジタルマーケティングを扱うウェブメディアへ寄稿しました。機械同士のコミュニケーションは大量高速はありだけど、人間の場合はそうもいかないんじゃないのという話です。 digiday.jp

100回の同一事件と100個の同種事件の弁別不可能性

1つの事件を100回聞くのと、同種の異なる事件を100個聞くことの区別が人間はそもそもできない(まだできるようになっていない)のではないか 。 これが明治大学で開催された社会情報学会のシンポジウムでの認知科学者 鈴木宏昭氏の発言で最も記憶に残ったも…

『つながりっぱなしの日常を生きる』

草思社の三田真美さんより恵贈の1冊。原題は"It's complicated" (2014). 「ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの」との日本語副題にあるように、ティーンのソーシャルメディア利用についての研究結果で、それは大人たちに見えているようには、あるいは…

ソーシャルメディア上の沈黙の螺旋とスマートニュースへの期待

先日PewがSocial Media and the ‘Spiral of Silence’というレポートを発表した。米メディアでは話題になっているこのレポートのタイトルの「沈黙の螺旋」とは、自分の主として政治的な意見が自分のまわりの人びとと異なると判断された時に人はそれを表明しな…

『つながりを煽られる子どもたち』

つながりを煽られる子どもたち――ネット依存といじめ問題を考える (岩波ブックレット)作者: 土井隆義出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/06/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る学生に紹介した手前、自分も手に取り、喫茶店で…

紙の新聞を再開して3月

新聞の定期購読をやめたのは、たぶん07年のどこかだったと思う。その後も週末のみ紙の新聞は購入して読んでいたし、大学図書館などで読むこともあった。それでも紙の新聞(毎日新聞)が毎日宅配されるというのはやはり違う。毎日新聞にしたのは、もっともペ…

ちょっと気になるmuuk

たしか2006年7月にグリーの荒木英士さんにゲスト講師に来てもらった時のことだと思う。「もうSFCのキャンパスでもmixiのオレンジ色の画面ばかりなんですよ」と荒木さんが言うので、「じゃあ、一定期間その人のページを訪問することがなければ、自動的に友人…

『メディアの生成』 アメリカ・ラジオの動態史 

無線電信の実用化に成功したマルコーニは翌1896年にイギリスでマルコーニ無線会社を設立した。ラジオ無線産業化のはじまりである。メディアの生成―アメリカ・ラジオの動態史作者: 水越伸出版社/メーカー: 同文舘出版発売日: 1993/03メディア: 単行本購入: 1…

デジタルネイティブ世代間のデジタル・デバイド仮説

木村忠正が2012年に出した『デジタルネイティブの時代』という本がある。デジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか (平凡社新書)作者: 木村忠正出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2012/11/17メディア: 新書 クリック: 11回この商品を含む…

ボタン・コミュニケーション

あまりにご無沙汰していましたので、ささっと書いてアップしてみます。「それなりに」とか曖昧な表現が多いのは勘弁して下さい。 うちのゼミはインターネット・コミュニケーションを、特にウェブサービスやマーケティングとの絡みで研究するところ。かつては…

Twitterから見る文化差

日本のTwitter利用に関する調査を始めている。それで「Twitterはソーシャルメディアというよりも、ニュースメディアである」という通説とは異なる研究がないかなと頭の片隅に入れながら、芋づるで論文を読んでいったらこういう研究に出会った。 Cultural Dim…

『集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ』

集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書)作者: 西垣通出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/02/22メディア: 新書 クリック: 18回この商品を含むブログ (25件) を見る 「開放システムと閉鎖システムのどちらが優れているか?」 こうい…

Audience Volatility

SocialFlowという会社がある。TwitterやFacebookであなた(企業)のメッセージがどれほど人びとの関心を集めていて、ピークがいつかということを分析する会社のようだ。その中の人のGilad Lotanが書いていたブログと面白い概念に出会ったので短めの紹介記事…

ネットコンテンツでカイロスを

いわゆる「あとで読む」アプリであるPocketの2012年にまつわる興味深いデータを紹介した記事を見かけた。Why the Internet makes it hard to procrastinate 記事の結論は以下のとおり。 as the social web becomes ever more social, the Internet's pace wi…

「どこで読むか」よりも「何で読むか」が影響するかも、という話

結論から言うと、情報過多を感じる程度にはニュースを「どこで読むか」よりも「何で読むか」が影響するかもしれない、という話。スマホアプリ開発などしている人はうすうす気づいていることかもしれないけれど。 テキサス大学のAvery Holton and Iris Chyiが…

FacebookはSocial Webの配管工になれるのか(Googleの内と外の収益構成)

IT’S CRUNCH TIME FOR FACEBOOK(「フェイスブックにとっての試練の時期」)で、フェイスブックはデスティネーションサイトになってはダメで、ソーシャルウェブの配管工になれ、と書かれていた。 この意見は、フェイスブックの収益上の肝はグーグルみたいに…

"Dark Social"という「切実な文脈」

先日、フランス人の友人の多い日本人の友人Aから、Facebookで気の利いた(あるいは共感を呼ぶ)投稿を彼がするとフランス人はFBのメッセージかメールで連絡してくるという話を聞いた。明らかに日本人の方がLikeどまり。コメントも少ないし私信で連絡してくる…

『閉じこもるインターネット』

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義作者: イーライ・パリサー,Eli Pariser,井口耕二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/02/23メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (15件) を見る僕がフェイスブックを愛せな…

*[Web,Media]アイスタイル/@cosmeと私

化粧品クチコミサイト@cosmeを運営するアイスタイルが東証マザーズに上場した。初日終値が1411円となり、企業価値は86億円となった。この企業は僕にとっては特別な存在なので少し書いておこう。 僕はUser Generated Mediaがどういう収益モデルを組合せていく…

*[Web,Media]ダンパー数突破記念 FBでのコンテンツ量調整メモ

Facebookでの友人数が150名(ダンパー数)を突破した。昨年の3月11日直後が50~60名だったので、1年でおよそ100名が増えたことになる。もちろん全員がヘビーユーザーではないし、閲覧だけの友人もいるわけだが、News Feedにデフォルトで現れるコンテンツ量が…

*[Web,Media]Google+のサークル整理とその後の使用感

年末にGoogle+のサークルを整理して1ヶ月半ほど使ってみての報告。 2011年に数ヶ月G+を使ってみて、サークルには受信用(閲覧時の画面表示切り替え用)と発信用の大きく2つが必要ということがわかった。自分が読む時のことはすぐに想像できるが、実は発信す…