Audience Volatility

SocialFlowという会社がある。TwitterFacebookであなた(企業)のメッセージがどれほど人びとの関心を集めていて、ピークがいつかということを分析する会社のようだ。その中の人のGilad Lotanが書いていたブログと面白い概念に出会ったので短めの紹介記事。


「大きなコンドミニアムに引っ越してピアノを買おうと思ってネットサーフィンしたら、いつでもどこでもピアノの広告が出てきちゃって大変。僕はいつでもピアノのことばかりを考えているわけじゃないのにさ」という感じで始まるブログはこちらだが、その後半にAudience Volatilityという概念が出てくる。あるユーザーのグループで話題にされるトピックの変化のしやすさ、である。金融用語に照らせば変化のしやすさ(激しさ)に注目が行っているのだと思う。


ニューオリンズでのスーパーボールでは停電があったが、Twitterで"Superbowl"から"Power Outage"へと短い時間で人びとの関心が移行する様子を示したグラフもブログ中にはある。さもありなんという感じである。


さてその次に登場するグラフはここにも貼りつけものだが、全米主要都市でのある話題についての関心の変動の様子を示したグラフである。縦軸がVolatilityを示したもので、右の方でVolatilityが低く、かつすべての都市で同じ動きを示しているところがある。これはサンディエゴを拠点に活動するNPOのInvisible ChildrenがKony 2012のキャンペーンを開始した時だと言う。まさに全米の関心がこのキャンペーンにだけ向かっていたというわけだ。たしかに私もTweetを受け取ってビデオを見た。


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面白く、またなるほどと思ったのは変動の激しさ、つまり加速度に似た概念で、関心の集中度合いを測っている点。測り方は企業秘密のはず。ただし気が散っている時に伝達するメッセージと、何かに集中している時に伝達するメッセージのどちらが有効なのかは私にもわからないし、彼らにもわかっていないだろう。話題の内容にもよるしね。


Lotanは、僕は楽観主義者だからねと断って「こういったデータも勘案して、コンテクストに合った広告を正しい時にポップアップさせられるように近いうちになる。Web広告でユーザーを追い回すのでなく」と言っている。僕は近いうちにはそんなにうまくはいかないと思ったけどね。